『…あのさ。保健室に運んでくれたの、
黒瀬だよね…?お礼、言ってなかったから…』
「っ……」
『…それだけ言いたくて。……じゃあ』
「っ…ちょっと待て…!
……っ…頼むから、まだ切んなッ…!」
『………』
「……なぁ、瀬織。
お前はこれから、何をしようとしてるんだ?」
『………』
「もしも、お前が父親を
消そうとしてるなら……
お前は、母親とお姉さんを殺した父親と
同じになるってことなんだぞっ…?
そうなって良いのかよッ…
んなの…お前が辛くなるだけだろーがッ…」
保健室で、瀬織の涙を見たあの日から
ずっと思ってた。
……瀬織には、これ以上辛い思いなんて
してほしくないって……__


