『……捨てられたの?…あたしと一緒だね。』 ッ…! ……不意に頭に浮かんだのは 捨て犬に優しく問いかけるあの時の光景で…… 「……もしかして、瀬織……?」 気付けば俺は、そんなことを口にしていた。 『……うん』 と、電話越しから 瀬織の落ち着いた声が聞こえてきた。 たった1週間しか経ってないのに 瀬織の声が…妙に懐かしく感じる。