『早く暗闇から抜けだして来いよっ…』


黒瀬の悲痛な叫びが、頭をよぎる。


「…っ…届い、てるよ。」


黒瀬があたしに伝えたかったこと、
ちゃんとあたしに届いてる。


だって……


「……っあたしだって、
抜け出したいよっ……。」


きっとこれが、あたしの本音だから…。


復讐という暗闇から
抜け出したい、だなんて……


自分に呆れ過ぎて、
思わずふっと笑ってしまう。


…それもそうだ。


あたしにとって、
復讐は……唯一の生きがいだったから…


それなのに…黒瀬と出会って、
復讐を辞めたくなる日が来るなんて……


そんなこと、思ってもいなかった__