「尾行なら、もうしてこないと思うよ。」 だって、今日は散々揉めたから。 「…そっか。」 煌弥くんは、それ以上何も聞いてこなかった。 たくさんの生徒が校門から出てくる中で… 「ばいばい雫ちゃん…!」 勇気を振り絞ったのか 少し震えた声で、1人の女の子が あたしに挨拶をした。 この学校で『雫ちゃん』と呼ぶ子は 蒼波 詩織しかいない。