「…あたしは君に
お礼を言われる立場じゃない。
……あの時、不倫写真を送ったのも
本当はあたしだから。」
少し悲しそうな顔で
そんなことを言う彼女。
「……これで本性が分かったでしょ?
あたしは、決して良い人なんかじゃない。」
「……っなんでだよ…。」
「…それしか方法がなかった。
香澄さんに、不倫の事実を
どうしても伝える必要があったから。」
「…っ…そうじゃねぇよ。」
「…え?」
「俺が聞いてんのは、
不倫写真を送った理由なんかじゃない。」
「………」
「……なんであんた、
わざと嫌われようとすんだよ。」


