「潰れていく会社を
目の前で見たいですか?」
あたしは、さらに社長を追い詰める。
手に持っていたパソコンを開き
あたしはカチカチとキ一を打っていく。
「はははっ…なるほど。
また、ウイルスを流そうってわけか。
それでお前は、会社を潰すと
私に大口を叩いているんだな?
だが、残念だったな。私が何もせずに
ノコノコここに来るとでも思ったか?」
その一言で、あたしの手は思わず止まる。
「…っ…え?」
「確かに、社内のパソコンは
先日お前の手によって
ウイルスに感染していたかもしれない。
詰めが甘かったのは事実だ。
気付かなかった私にも責任がある。」
「………」
「だが、残念ながら私は、同じ失敗を
繰り返さない主義なんだ。」


