「…だから君が殺るんだ?」
歩き出した彼に向かって、
あたしはそう尋ねた。
すると、不意に彼は立ち止まり
あたしの方を振り向いた。
「……そうだよ。」
「………」
「まぁ、あんたには理解できねーよな。
俺の気持ちなんか。」
「……え?」
「自分の親を殺したい、なんて気持ち
分かんね一だろ?
…あんただけじゃねーよ。
…俺の気持ちは、誰にも理解できない。」
悲しそうな顔でそう言った彼を見て
あたしは少し驚いた。
その言葉は……
あたしがずっと、思っていたことだったから。
「…1つ忠告してあげる。」
「…忠告?」
「…残念だけど……
君の計画は失敗するよ。」
「……は?
なんでそんなこと分かるんだよ。」
不機嫌そうな表情で、彼はそう言う。


