天才少女の復讐法。



【雫side】


「…じゃあ、あんたの正義って何?」


…聞くだけ聞いてみようと思った。


でも、答えが返ってくる気配もなくて。


…何も言わない黒瀬に対して
段々、怒りが込み上げてきたが……
時間の無駄だとも思った。


…沈黙が続いたことによって
不意にあたしは我に返る。


…他人の意見を聞き出そうとしたことに
バカバカしく思えたからだ。


「……正義の種類は、人それぞれだよ。
黒瀬は黒瀬なりに
自分の正義を貫き通せばいい。
そのかわり…あたしの正義を否定しないで。」


そう言って、あたしは教室を後にした。