「…あたしは、罪のない人を守るために
悪人を排除してるんだよ。
自分の犯した罪の大きさを理解させて
自ら命で償わせる。…これがあたしの正義。」
「……排除?」
『悪人を排除している』
その言葉を聞いて、
ひとつの事実が脳裏に浮かんだ。
以前、連続自殺について調べていて
分かったことがある。
黒幕が選ぶ
ターゲット選択の唯一の共通点は……
犯罪記録のある者。
もしかして…その人たち全員、瀬織が……?
「っ…ふざけんな!
それは、瀬織がやることじゃねぇだろ。
刑事の仕事だ。」
「ふっ…刑事の仕事…?笑わせないでよ。
悪人を釈放して、悪人を増やしてるのは
あんたら刑事でしょ?
善人の味方とか、綺麗事ばっか言ってるけど
被害に合ってるのは誰?罪のない人じゃん。」
「っ……」
「……少なくとも、あたしはそう教わった。
何度も何度も刑事に裏切られた。
そして、やっと学んだの。
…信じても無駄だって。
刑事は、所詮何もしてくれない。
…そんなの、本当の正義なんかじゃない。」
そう言って、瀬織は悔しそうに
拳をギリッと握りしめた。
……裏切られた……?
どうゆう意味だ…?


