「じゃあ、あんたの正義って何?」 そう言った雫ちゃんの表情は ドアガラス越しからでも伝わるくらい 悲しそうで、苦しそうで…… わたしなんかよりもっと辛い経験を してるのかもって……なんとなく思った。 __ガラッ! しばらくして、雫ちゃんが出てきた。 わたしの存在に気づくと 雫ちゃんは少し驚いた表情をした。 「ご、ごめんなさいっ… 聞くつもりじゃ……なかっ……」 __サッ……! そんな言い訳を言い終える前に 雫ちゃんは、何も言わずに…… わたしを横切った。