どんどん遠くなっていく
瀬織との距離の中に
目には見えない線があるようで……


『これ以上入ってくるな』


あいつに、そう言われている気がするんだ。



線の向こう側には、瀬織にしか分からない
『何か』があるようで……


俺はこれ以上、
踏み出すことができなかった…。


瀬織の寂しそうな後ろ姿を
ただただ見つめることしか
俺にはできなかったんだ……__


《第5章 完。》