ようやく放課後になり わたしはトイレから教室へと戻る。 ドアを開けると誰もいなくて、 すごく落ち着いた。 このまま時間が止まればいいのに…… なんて、叶わないことを願ったりして。 だけど、そんな束(ツカ)の間の幸せは すぐに崩れるもので……。 わたしは机の中から教科書を出した。 「……っ…なんでっ」