スマホを受け取り、
あたしは住所をすらすらと答えていく。
そんなあたしを
気味悪そうに見つめてくる女性。
…それもそうだ。
近所の人が言葉に詰まる住所を
見ず知らずのあたしが
スラスラと答えるなんて……
周りから見たらどう考えても奇妙だ。
でも、この家だからこそ
あたしは住所を把握している。
いずれあたしが接触する相手が
自分がした罪の大きさに気付かずに…
呑気に住んでいるから……。
まさかこの情報が
こんなことに役に立つ日が来るなんて……
思ってもいなかった。
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