「ねぇ、黒瀬くん。」 不意に瀬織は壁によしかかって クスッと笑った。 「…なんだよ。」 「…びっくりした? ずーーっと探していた黒幕が まさかこんな近くにいたなんて……ね?」 冷たい笑みで、瀬織はそんなことを言った。 「…っなんでそれ…。」 「ふっ……あたしが知らないとでも思った? 残念だけど、全部気付いてるよ? 黒瀬くんが屋上に来たこともね。」 そう言って、瀬織はふっと嘲笑った。