この事件の無関係者なら あの悲惨な殺人事件を忘れてしまっても 無理はない。 ……でも、この女は 決して無関係ではないのだ。 「で、今更なんなわけ? 私に、仕返しをしようとしてるのかしら?」 ……仕返し…? 思ってもいなかった言葉に あたしは思わず眉をひそめる。 「仕方ないじゃない。 忠信さんは、あなたのお母さんよりも 私の方が愛していたのよ。」 「…え?… …今なんて…。」