「てかさぁ、なんで名前呼んでくんねぇの?」

べつにねぇ…?

「別にいいじゃん。どーせ、偽物だし」

うんうん。偽りの関係だしね。

「呼べ。蒼空って呼べよ…茉莉花」

今までに聞いたことのない、真剣な声だった。

ムカつくのに、心臓がバクバクしてる。

なんで…?

こいつのことは好きになんてならない。

絶対に好きになんてならないんだから。