「何の本呼んでたの?」

「読んでみる?」


あたしは先程まで読んでいた本を爽に手渡した。


「やだ、どうせ英語だろ!よ…」

「読みたいのに読めないなんて本失格だ?」

爽の台詞を先に口にする。
確か、あの時もこうやって爽は騒いでた。


「一本取られた!」

「取ったつもりないけど、悪いのは本じゃなくて爽の頭でしょ」


「ひでぇーな!」


あたし達は笑いあう。
誰もいない教室で、離れていた時を埋めるように。


ねぇ、爽。
たくさん話したい事があるんだよ?
聞いてほしい事がたくさん……


それから、爽の事もたくさん知りたい。
これから続く長い時間を、爽の為に使いたい。



「入学おめでとう!爽」

「ありがとう、春!」


あたし達はそれからいろんな事を語り合った。



一度目の人生が終わる時、あたしは、俺は、『君の笑顔』を望んだ。


そして、二度目の人生では…『再び出会い、愛する事』を望んだ。


過去を越えて未来へ、あたし達は歩きだそう。
最後に君を、 あたしは、俺は……


永遠に想い、生きていくと誓う………