こんな短時間で眠ってしまうなんて思ってもいなかった。
……けれど、やっぱり幽霊を相手にするというのは、相当 力を使うものなのかも……。
さっきは平気そうな顔をしていたけれど、本当は疲れが溜まっていたのかもしれない。
「……こんなところで寝たら風邪引いちゃいますよ?」
静かに声をかけるけれど、熟睡してるらしく返事は無い。
「……ふふっ、なんか可愛いな」
普段は見ることの出来ない無防備な寝顔を見つめながら微笑み、そっと制服のブレザーを脱いで掛けてあげる。
「ゆっくり休んでくださいね」
小さな声でそう言ったあと、私は一人、窓際へと移動した。