突然だけど、私──双葉 杏(フタバ アン)は幽霊が視える。

父は普通の会社員だし、母も仕事大好きな兼業主婦。

私だって見た目はただの高校2年生。

だけども幽霊が視える。 それは紛れもない事実だった。





──『杏ちゃんは俺と同じで、『カゲロウの血』なんだね』




親戚の集まりがあった時にそう言って笑ったのは、私の又従兄弟にあたる秋(アキ)さんという23歳の男性だった。

彼が言ったカゲロウとは、私たちの遠い遠い先祖の名前。……と、言われている。