君の知らない物語

それを隠すように香流は前を向いた。

そのまま私の手をひきながら
少し早歩きで香流は歩き出す。

香流の鼻をすする音が聞こえる。
必死に泣くのを我慢しているのかな。

私は気づいていたけど、何も言わなかった。

「彩葉。」

香流が前を向いたまま私の名前を呼ぶ。

「なに...?」

月の灯りが2人を照らす。
さっきよりも明るく。