君の知らない物語

「香流は独りなんかじゃないよ。」

「えっ?」

香流はその場に立ち止まった。
それと同時に私も足を止める。

香流が私の方を見る。
私は顔を上げ、真っ直ぐ香流の目を見る。

一瞬の出来事なのに
そんな気がしないのは何故だろう。
全てがスローモーションのように。
ゆっくりと流れていく。

1分間目を合わせているような錯覚に陥る。
ホントはまだ1秒しか経っていないのに。

私は少し微笑んだ。

(香流を支えてあげたい...。)