君の知らない物語

「暗いから足元気をつけろよ。」

いつも歩きなれた道。
でも夜に歩くのは初めてだった。

等間隔に設置された街灯が道を照らす。
しかし、それは数少なく
街灯と街灯の間はとても暗い。
香流の握る手が強くなる。
少し顔が熱くなった。

「たまにはいいこというんだね。」

少しバカにするように言った。
ホント、素直じゃないな、私。

「たまにってなんだよ。」

笑いながら言い返してくる。

「いつものお返し。」

ニコッと笑って私も返す。