君の知らない物語

「ほら、早く行くぞ。」

私の右手を掴むと香流は歩き始めた。

空は、私が家を出てから5分しか
たっていないのに、既にさっきより
暗くなっていた。
空の変化が時の流れを
告げているように感じる。

繋いだ左手から香流の体温が右手に伝わる。
あたたかい手。
おおきな手。
私のだいすきな手。

手を繋ぐなんて何年ぶりだろう。
こうやってまた時の流れを告げられる。