君の知らない物語

2073年 8月9日 17:45

「なぁ彩葉。」

香流より少し遅れて学校を出た。
校門の前に立ってる香流のもとに行くと
名前を呼ばれる。
こんなふうに香流から
名前を呼ぶなんて珍しい。

学校からの帰り道。
海沿いを歩いていると
ちょうど海に沈んでいく夕陽が見える。
いつも通り夕陽を見ているのに
いつも通りでない香流によって
私の心の中に違和感が生まれた。

「何??」

少し疑問に思いながら返事をする。

真剣な顔をして聞いてくる香流が
少し不思議に感じる。
一体なんだろう...。