君の知らない物語


「うん!ありがとう!
すごいわかった!
香流ってホント人に教えるの上手だよね!」

「彩葉の理解が早いからだよ。
ほら、早く帰るぞ。」

香流がとっさに顔を隠す。
すぐにドアの方を向いて歩き出した。
照れていたのかもね。
バレないように誤魔化したのかな。

今度は香流の後ろ姿が射し込む夕陽で
オレンジに染まっていた。
でもその後ろ姿は少しどこか寂しげで、
悲しかった。