君の知らない物語


「彩葉...。
ごめんな...。」

「え...?」

香流だった。
香流が私の後ろにいる。
でも、振り返れない。
振り返れば、
いなくなってしまうような気がして。

「俺、約束守れなかった。
待ってるって言ったのに。」

そんなことない。
香流は私をかばって死んだ。
私のせいで死んだのに。
なのに、ここに来てくれた。
ちゃんと待っててくれた。

そう、言いたいのに。
なんでだろう。
声が出ない。
言えない。
たくさん伝えたいことがあるのに。