君の知らない物語


「香流...香流は!?
香流はどこにいるの!?」

「い、いろは、落ち着け!」

全部思い出した。
事故の直前を思い出した瞬間から
ドミノ倒しのように次々と記憶が現れる。

「香流は、あの時、私と一緒にいた...。
一緒に星を見に行った。
事故にあった時も...私の、私の隣にいた!
香流はどこ!?
ねぇ!香流は今どこにいるの!?」

「彩葉!
しっかりしろよ彩葉!」

直絆に肩をゆすられ
鼓動が落ち着きを取り戻す。

直絆がまっすぐ私の目を見つめる。