少し微笑んでそう言うと
香流は振り返り、暗闇の中へ歩いてゆく。

「待って...、待って!
待ってよ!香流!
嫌だよ!行かないで!
どこにも行かないで!!
ずっと...、ずっとそばにいてよ!!!」

暗闇の中に消えてゆく香流を
走って追いかける。
でも香流にはいくら走っても
追いつけなくて。
手を伸ばしても届かなくて。