君の知らない物語

「ったく、ぼーっと歩いてると危ないぞ?」

香流が歩き始める。
後を追うように私も足を動かす。
山の中にできた道。
周りを見渡せば木しかない。
コンクリートで舗装された道は歩道がない。
でも車はほとんど通らない。
お母さんが私と同じくらいの時は
まだちゃんと整備されてなかったらしい。
人口が増えた時にもう少し
住みやすい町にしようってことになって
道路を作ったんだって。
だから私の家も山の上の方に
作ることができたし移動の時も
車が使えるから便利。

でも急カーブとかあるから
前は見てないと危ないけどね。