「彩葉?」

隣を歩いている香流が
私の肩を揺らす。
どうやら何度か名前を呼んだが
返事をしなかったらしい。
考え事をすると周りの声が
聞こえなくなるってホントなんだな...。

山道を下る途中で私達は足を止めていた。
ハッと気づき香流のほうを見る。

「え、ご、ごめん。
考え事してた。んで、何??」

咄嗟に思いついた言葉を適当に
言ってしまったことに後から気づく。
日本語になっているのかも
定かではないような...。