君の知らない物語


「香流くん??」

「僕は独りなんだ。」

それはとても小さな声だった。
それでも力強くて。

「え?」

「僕も父さんも独りなんだ。」

あの時の私はまだ幼すぎて
香流が何を言ってるか
理解できなかったけど。
こうやって振り返ってみると
香流のことやっとちゃんと
知れたような感じがする。

「そんなことないよ。
香流くんは独りなんかじゃないよ。」