君の知らない物語

お弁当の時間が終わり、
帰りの会が終わり
みんなが一斉に帰り始める。

今までの時間で香流がちゃんと
顔をあげる時はなかった。

ランドセルを背負った小2の頃の私が
香流の方を向いていった。

「香流くんってお家、
山の方だよね??
一緒に帰ろう?」

「...。」

香流は俯いたまま何も言わない。