自分の部屋のクローゼットの中で、卒業アルバムを探していると一枚の写真が出て来た。

大人になった私から見ると、まだあどけない気がしてしまう爽やかな笑顔。

「修哉…」


初恋の彼の写真だ。


これは嫁ぎ先には持ってはいけないな。


久しぶりに見る修哉は私の記憶通り優しい笑顔だ。


恋が実る喜びと失う悲しみを教えてくれた人。


やり直す事ができたなら…もう何百回と願った。

そんなこと叶うわけがないのに。


小箱を開いて人差し指で石に触れると少しひんやりしている。


「修哉…」


呟いた瞬間石が光った。


「えっ?」

石に触れると火傷しそうなほど熱い。


「熱っ」

指を引っ込めて石をのぞき込むと光に包まれて目が眩んだ。


「うわっわぁぁぁ」


体が宙に投げ出されて落ちていく感覚に気を失いそうになりながら私は小箱を掴んだ。