チャイムが鳴り担任の先生が扉を開ける

教室中が静まって、みんなそれぞれの席に着いた

はずなのに、私の隣だけはやっぱり空席だった

また遅刻かなあ…

クラスの誰もがそんな風に思っているんだろうな

私を含めて全員が

先生が出席を取りはじめる

私は割とすぐ呼ばれるから、おとなしく待っている

「小野 舞鈴(おの まりん)」

と私の名前を呼ばれる

私はいつもと同じように、眠そうな声で返事をする

出席を取りおわった教室はいつもどうり騒がしい

そんな周囲の様子とは対照的に

私は隣の空席を静かに眺めていた

すると、背中に何かがぶつかってきた

それもものすごい勢いで

「痛いじゃんっ」

そう叫びながら振り向いた私の視界には

「おはよう凛、俺がいなくて寂しかったの？」

なんて言って笑う歩(あゆむ)がいた