中等部を卒業したのは、我らが生徒会長も同じだ。

「龍乃さん、卒業おめでとう」

ノエルが祝福の言葉をかける。

「にゃははぁ、何か照れちゃうね、改まって言われるとさあ」

照れ臭そうに頭を掻く龍乃。

しかし、彼女もまた同じだ。

中等部を卒業したからとて、何かがすぐに変わる訳ではない。

明日もきっとこの生徒会のメンバーと顔を合わせるし、同じクラスだった仲間ともいつでも会える。

高等部に進学したからといって、突然大人びてしまう訳でもない。

何も変わらない、いまいちピンと来ない卒業。