鴉丸のお城、2月13日。

「ねぇ、母上」

亜鳥は、ポッキーポリポリやりつつ廊下を歩いている母・遊里に声をかける。

それにしてもこの嫁は、ちゃんと家事とかしてるんだろうか。

鴉丸のご家族のご厚意に甘え、菓子ばっか食ってるような気がするが。

「んー?亜鳥なにー?」

「あ、あのさ…」

頬を染め、そっぽを向きつつ。

「チ、チョコが欲しいんだけど…」

「あー」

遊里は唇を尖らせた。

「あの棚にあるチョコは私んだかんね、河童君にも亜鳥にもあげないよっ」

いや、そうでなくて。