「……」

刹那は静かに溜息をつく。

「お嬢様…俺は次期指南役であり、指導係のようなものです…兄妹だの家族だのと思わず、もっと事務的に接して下されば結構ですから」

「事務的?やだなぁ」

ケラケラ笑う琥珀。

「それは無理だよぉ、父様達は僕が生まれる前から、久遠さんと琴子さんとも暮らしていたんでしょ?今更事務的とか」

「共に暮らしていただけです。血の繋がりは有りません」

「だから家族じゃないって?」

「そうです」