恐るべき怪力。

既にこの時点で臥龍に畏怖を抱いていた大男だが、そこで負けを認めるには、ヤンキーのプライドが邪魔をする。

「野郎っ!」

彼は無謀にも、臥龍に力比べを挑む。

両手でガッチリと組み合うものの。

「あぐぅうぅぅうぅぅぅぅぅぅ!」

いともあっさり力負け。

臥龍の腕力で、仰け反るほどにねじ伏せられる。

更にはその圧倒的な力で上から押し込まれ、信じ難い事にコンクリートの床に足がめり込んでいく。

まるで底なし沼にでも足を踏み入れてしまったようだ。

ズブズブと地面に沈んでいく体。

気が付くと、大男の体は首まで地面にめり込んでしまっていた。