天神商店街。

「ほら見ろよ、コイツ尻尾ついてんぜ?」

鎌瀬戌の生徒達に囲まれて、右往左往しているのは豆太郎だった。

雪菜に頼まれておつかいに来ていたのだが、その道中で絡まれてしまったらしい。

「街まで買い物に来て、葉っぱで手袋買うのは狐じゃなかったっけ?」

「狸も人間化かすんだよ」

嘲笑うかのように言う生徒達に。

「ぼ、僕は人間を騙したりはしません!天神学園でそう教わっていますからっ!」

強気で反論する豆太郎。

人間だろうと狸だろうと人外だろうと、ちゃんと共存できる。

それは天神学園の誇りだ。

しかし。

「狸は動物園だろー?」

「それか山奥じゃね?」

「人間のフリ乙」

豆太郎の発言を、鎌瀬戌の生徒達は何処までも愚弄する。