龍乃一味のカオスな学園生活

翌日放課後。

「ん?」

龍乃は顔を上げる。

「放送委員をやめさせたいの?」

「ああ」

武は己の背中に隠れた花を見ながら言う。

「花は人前で話したりするのが苦手なんだ。放送委員なんて、最も花の苦手とする役職…無理強いするのは不憫でな」

「ふぅん…」

ポリポリと頬を掻きながら。

「いいよ、やめても」

龍乃はあっさりと認める。

「ほ、ほんと…?」

武の後ろから顔を覗かせる花。

「本当さぁ、誰にでも得手不得手はあるかんね、そゆの無理矢理やらせんのはアタイ、ヤなんだよ」

そう言ってニカッと笑う龍乃。

意外と話が分かるようだ。