龍乃一味のカオスな学園生活

「母様母様、このお節も食べていいの?」

琥珀が奏多に訊ねる。

「いいわよ、今年は昆布締めが美味しくできたの。黒豆も美味しいわよ?」

「僕、母様の昆布締め大好き」

刹那の席の隣で、琥珀が身を乗り出す。

振袖では取り辛かろう。

「琥珀、俺が…」

取ってやろうと言いかけて、刹那はハッとする。

袖に手を添え、箸を伸ばす琥珀の仕草。

着物故に長い髪を上げ、後ろからだと項も見える。

洋服を着ていては見せる事のない一つ一つの所作が、少女らしい初々しい色気を漂わせる。