龍太郎と小夜は、昨夜夫婦水入らずで、ちょっとお酒とか飲んじゃったらしい。

まだよく眠っている。

(父ちゃん母ちゃん、帰ったらお年玉はキッチリ集金すっからね。それまでよく寝ててね)

別に悪い事している訳でもないのに、抜き足差し足。

二人を起こさないように玄関から出た後。

「よっし」

愛用のスニーカーを履いて。

龍乃は薄暗い天神の街を走り始めた。