「それにしても」

武は冬樹の顔を見る。

「助かったぞ冬樹、恩に着る。お前の助言がなければ、俺はこの男に花を生贄として捧げてしまう所だった」

「……どうぞお気になさらず…」

ペコリと頭を下げる冬樹。

相変わらず謙虚な男だ。

「しかし、冬樹はあのような俗な言葉をよく知っていたな。些かお前の印象とはかけ離れた感じもするのだが…」