料理に舌鼓を打ち、夕食が終わる。

「1125、1126、1127…」

夕食後。

刹那は腹ごなしに練武場で月蝕の素振りをしていた。

食事前にも琥珀と共に稽古をしたというのに、熱心な事だ。

琥珀は強い。

宗主・孔雀の娘だ。

孔雀は若かりし頃…まだ『夕城 孔雀』の名だった頃に、極意・斬鉄を習得して尚、その更に上をいく『斬雨』を独自に編み出したという。

それが中等部在学の折。

まだ刹那よりも歳若だった時だ。

瑠璃、めのうと共に『夕城三兄妹』と呼ばれていたが、『天才』の異名をほしいままにしていたのは孔雀のみ。

剣の神に愛されていたのは、あの閻魔の子供達の中でも孔雀だけかもしれない。