龍乃一味のカオスな学園生活

「あの子達じゃない?件のシオン=グリフィノーと早川 花龍って」

亜鳥が指差す。

見た所、逃げているのは花龍、シオンがそれを追いかける形。

最初は遊びで鬼ごっこでもしているのかと思っていたが、花龍が涙目になっている辺り、本気で嫌がって逃げているのかもしれない。

どちらにしても、物凄いスピードで走っている。

転倒したり通行人とぶつかったりして、怪我をしたら大変だ。

「こらっ、君達っ」

ノエルが前に出て。

「走ったら…駄目だよっ!」

花龍を追いかけるシオンを捕まえようとするものの。

「!!」

シオンは、龍娘流有段者のノエルの動きを見切って、スルリとその手から逃れる。

流石勇者の血筋、ずば抜けた反射神経だ。