「刹那君さあ」
練武場に入るなり、琥珀はクルリと振り向く。
「さくらちゃんと前に戦ってた時、鎮魂歌(レクイエム)って技使ってたじゃない、あれ教えてよ」
「駄目です」
即答する刹那。
「えー、いいじゃんケチンボ」
「あれは琴月流音無家の技です。宗家にはない、父と母が独自に編み出した技」
「だから教えてくれないんだ?刹那君意地悪なんだぁ」
膨れっ面になる琥珀に。
「意地悪ではありません」
刹那は自身の愛刀を見せる。
「この月蝕は、鞘を鉄拵え(金属製)に変えてあるのです。だから斬撃の後、鞘で相手の頭部を打つという鎮魂歌(レクイエム)が使える。お嬢様の夕映は、鞘材として漆を塗った朴の木が使用されているので、打撃に使うと鞘が壊れてしまいます」
練武場に入るなり、琥珀はクルリと振り向く。
「さくらちゃんと前に戦ってた時、鎮魂歌(レクイエム)って技使ってたじゃない、あれ教えてよ」
「駄目です」
即答する刹那。
「えー、いいじゃんケチンボ」
「あれは琴月流音無家の技です。宗家にはない、父と母が独自に編み出した技」
「だから教えてくれないんだ?刹那君意地悪なんだぁ」
膨れっ面になる琥珀に。
「意地悪ではありません」
刹那は自身の愛刀を見せる。
「この月蝕は、鞘を鉄拵え(金属製)に変えてあるのです。だから斬撃の後、鞘で相手の頭部を打つという鎮魂歌(レクイエム)が使える。お嬢様の夕映は、鞘材として漆を塗った朴の木が使用されているので、打撃に使うと鞘が壊れてしまいます」


