「只今帰りました」

琴月別邸。

二人の男女の声が玄関に響く。

琴月宗家長女、琴月 琥珀。

琴月分家音無家長男、音無 刹那。

二人は同じ新生琴月流の剣客として、この琴月別邸でひとつ屋根の下暮らしている。

宗主の琴月 孔雀と分家頭領の音無 久遠は、歳の差こそあれ立場を超えた友情を育んでおり、その子供である琥珀と刹那もまた、どちらの子という事なく兄妹のように育てられた。