しばらくして。

「おまちどおさん」

虎次郎が料理を運んでくる。

見た目にも美しい盛り付けを施された、料理の数々。

早速龍乃ががっつこうとするが。

「うひっ!」

菜箸が、龍乃の目の前のテーブルに突き刺さった。

「私の料理を食うのだ、合掌して『頂きます』、食い終わった後は『御馳走様でした』の一言を忘れるな。刻んで煮込むぞ」

流石退職しても教師、礼儀作法には煩い。

てか客を脅迫する店ってどうなの?