注文を聞いて、黙々と中華鍋を振るい始める龍娘。

重い鍋と高火力を自在に操る姿は、流石男前。

「でもこのお店って、中華街でも一等地じゃないですか。よく店出せましたね?」

「うんうん、この辺は中国マフィアも出没するって聞いた事がありますけど」

セレナとノエルが言う。

「ああ…何度か来たな、柄の悪い連中が、この辺で商売するならショバ代がどうとか…」

「で、どうしたんですか龍娘先生?」

琥珀の問いかけに。

シャキーンッ!と。

ノエル注文の刀削麺を包丁で文字通り削っていく龍娘。

包丁の刃が、やけに鋭く輝いている。

『言わんでも分かるだろう』と。

そう語っているように見えた。

「むぅ…銘刀…」

「俺の月蝕に勝るとも劣らぬ切れ味…」

武と刹那が口々に呟く。