龍乃一味のカオスな学園生活

「ノエル、おめぇ何段だ?」

「現在初段になります」

「嘘つけ、二段…いや三段じゃねぇか?」

「いえ、本当にっ」

「ならとっとと昇段試験受けやがれ。初段だと思って油断してかかった相手に気の毒だぜ」

ニヤッと笑う龍太郎。

さてここからが本番だ。

ちょっとだけ本気で仕掛けてみるか。

龍太郎が半歩踏み込んだ時だった。

「龍太郎」

少女特有の透き通った声をわざと低く押し殺したような、そんな声が道場に響いた。

振り向くと、そこには龍乃。

…いや、違う。

この気質は臥龍か。

「お前の道着を借りたぞ」

見れば臥龍は、白い道着に白帯を締めていた。

龍乃の体では龍太郎の道着は大きすぎるのか、袖や裾を折り曲げている。